OPEN THEATER 2022 『映画:フィッシュマンズ』
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- Date
- 2022.11.14
オープンシアター 2022『映画:フィッシュマンズ』
司会進行:筒井武文(映画専攻教授)
ゲスト:手嶋悠貴(撮影領域・5期修了生)大川景子(編集領域・3期修了生)和田清人(脚本領域・1期修了生)
12月17日(土)
10:00 開場・受付
10:30~13:30 <第1部>『映画:フィッシュマンズ』(上映時間172分)
(全員退席)
14:00 開場・受付
14:30~17:00 <第2部>修了生3名によるトーク・質疑応答など
会場 横浜市中区本町4-44 東京藝術大学大学院映像研究科馬車道校舎3F(大視聴覚室)
入場 無料
座席 自由
定員 100名
事前申込制
本講座の紹介メッセージ(文:筒井武文)
フィッシュマンズは、1990年代に活躍した伝説のバンドだが、作詞・作曲を担当したボーカル佐藤伸治の急死で、99年活動停止する。その後、復活したフィッシュマンズが、佐藤の没後20年に行なったライブイベント「闘魂 2019」に合わせて、彼らの活動の総体を追求する『映画:フィッシュマンズ』(2021)の撮影がはじまった。監督が映像研究科映画専攻修了生(在学時は撮影・照明領域)の手嶋悠貴で、編集の大川景子、構成の和田清人、撮影監督の山本大輔をはじめ、初期の映画専攻生が多数スタッフに参加している。映画専攻では、劇映画の分野では未来の日本映画を担う人材を輩出してきたが、ドキュメンタリーの分野でもこのような優れた作品が生み出されたことに感慨が深い。
『映画:フィッシュマンズ』は、紛れもない傑作である。同年に、配信されたピーター・ジャクソン監督の『ザ・ビートルズ:Get Back』と比べても決して見劣りしない。どちらも、バンドの解散に至る経緯を描くという共通点はあるものの、『Get Back』が、マイケル・リンゼイ=ホック監督の『レット・イット・ビー』(1970)で撮影された57時間のラッシュ・フィルムの再編集であるのに対し、『映画:フィッシュマンズ』は過去の映像を掘り起こしているが、中心になるのは、残されたメンバーをはじめとする関係者のインタビューである。現在と過去が対峙する。このインタビューが編集されるや、ある出来事が各々の視点で語り出され、立体的に提示される。まるで、魔法のような、オーソン・ウェルズの『市民ケーン』(1941)の構成を想起させる。こうして、七枚のスタジオ・アルバムとライブイベントの成立の背景が観客に追体験されることになる。おそらく、監督の気迫が伝わったのだろう。メンバーの全員が、魂の奥から言葉を絞り出すのである。とりわけ最初の脱退者となった創設メンバーの小嶋謙介の挿話には胸が詰まるばかりだ。もうひとりの創設メンバー茂木欣一の映画への参加の説得も大きかったのだろう。こうして、佐藤伸治と周りとの亀裂が浮かび上がる。同時に次々離脱者を出しながら、その度に新しい音楽を生み出していく佐藤伸治の才能の巨大さにも初めて気づかされる。波のなかを泳ぐような、空中を散歩するような……。このドキュメンタリーの凄さは、不在の中心を求める構成にも拘らず、個性的なメンバー全員の肖像が重層的に立ち上がり、各人の孤独が身に沁みることだ。そして、何より素晴らしいのは、二重の終わり。過去の探求だと思われた映画=音楽が、未来を向いているということ!
制作に約三年、編集だけでも一年掛けたという、(音楽)ドキュメンタリー『映画:フィッシュマンズ』の中心スタッフ三名(監督、構成、編集)を招き、創作過程をじっくり語ってもらう。どうして、こんな映画ができたのか? という秘密を!
問い合わせ先:東京藝術大学大学院映像研究科 geidaimovie@gmail.com / 050-5525-2681
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