東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻

  
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  1. 日中韓国際シンポジウム 「映像メディアのデジタル化は映画教育をどう変えるか?」+日中共同制作&日韓共同制作作品上映

日中韓国際シンポジウム 「映像メディアのデジタル化は映画教育をどう変えるか?」+日中共同制作&日韓共同制作作品上映

日中韓国際シンポジウム「映像メディアのデジタル化は映画教育をどう変えるか?」

+日中共同制作作品&日韓共同制作作品上映

 

◉パネリスト

敖日力格(AORILIGE):北京電影学院美術学部学部長

劉旭光(LIU XUGUANG):北京電影学院美術学部新媒体芸術学科研究室主任教授

パク・キヨン(PARK KIYONG):檀国大学校専門大学院映画コンテンツ部門教授

安藤紘平:早稲田大学大学院国際情報通信研究科名誉教授

諏訪敦彦:東京藝術大学大学院映像研究科教授

 

◉司会

筒井武文:東京藝術大学大学院映像研究科教授

 

日時:2014年11月15日(土)&16日(日)

場所:東京藝術大学馬車道校舎3F 大視聴覚室

※入場無料・予約不要

 

100年続いたフィルムによる映像記録方式に革命が起こった。それは映画・映像技術史としてみれば、サイレントからトーキーへ、またモノクロからカラーへの変化をはるかに凌ぐもっとも劇的な技術革新である。

それが映画の制作過程に、そしてコストパフォーマンスに大きな影響を及ぼしたのは当然として、映画・映像教育現場でも、単に新たな撮影・編集・録音機材への対応にとどまることなく、カリキュラムおよび映像表現を含む教育メソッドへも大きな影響をもたらし始めているかにみえる。

またデジタル化は、インターネットでのデータの送受信が可能なことなどもあり、国際な大学間の新たな連携のかたちが今後追求されることになろう。

このシンポジウムは双方ともに国立の最高映画教育アカデミーである北京電影学院と韓国映画アカデミーの教授を招聘し、日中韓で近年に制作された学生による共同作品の上映と、デジタル化による新たな映画・映像教育の影響と展望、そしてアジアの中核をなす日中韓三カ国の教育連携の可能性を模索するものである。

 

【上映作品】

◉日中共同制作作品(早稲田大学大学院+北京電影学院)

『禅武合一 少林功夫』2009年/20分/カラー/HD

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監督:ワン・ホンハイ

北京電影学院と早稲田大学安藤研究室とが連携した日中合作映画。中国河南省登封(とうふう)市、小室山(しょうしつざん)の麓,五乳峰を背に、周囲を山々に囲まれ、四季の移り変わりが激しく、厳しい自然に満ちた少林寺に密着取材したドキュメンタリー。1500年伝承し続けた文化を、四季を通じ少林寺の僧達の日常を中国側が取材し、ポスプロを日本側が全面的に担当。「映文連アワード2009」審査員特別賞を受賞。

 

『京都掠影』2012年/40分/カラー/HD

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監督:ワン・ヤン

東日本大震災による風評被害を払拭するべく内閣官房が打ち出した、クールジャパンを世界へ発信するための「JAPAN NEXT」戦略。世界各地で実施されたイベント企画の一環として制作された日中合作映画。日本を代表する俳優奥田瑛二氏がナビゲーターとなり、漆、和紙、茶道、華道などの第一線で活躍する人間国宝や家元達に、北京電影学院と早稲田大学の学生たちが取材撮影。中国の若者目線での日本の伝統文化紹介という異色のドキュメンタリー。

 

『ジンノーシャ ア』2014年/19分/カラー/HD

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監督:リャオ・チン

中国を旅行中に湖北省巴東県で妻子ある船の漕ぎ手に恋をしてしまった日本人女性。結婚を迫るが男は拒否する。このことは村中の話題になり、彼女の父親も知るところとなり……。本作は90年代初め中国の湖北省巴東県を訪れた日本人女性の実話に基づいて制作。北京から48時間離れたその地で、彼女は山々の神々しさ、船を漕ぐ男の美しさに魅入られ、恋に落ちた。かつて日本を訪れた欧米人たちが極東の地、日本の神秘に恋に落ちたように。「映文連アワード2014」優秀賞を受賞。

 

『天籟籟』2012年/11分/モノクロ/HD

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監督:リュウ・チェンイ

「荘子」には天籟、地籟、人籟の思想がある。 天籟は、この世で最も美しい、万物全ての発する音。現代を生きる裸の少女は、自分の運命が描かれた易の羅盤に乗って、天籟の音を探し求める旅に出る。『天籟籟』は、合理的デジタル技術によって混沌とした古代思想を表現したアンビギュイティなアートアニメーションである。本作は、2013年度上海新青年芸術人物賞を受賞し、ヨーロッパとアフリカの映画祭と展覧会で上映された。

 

◉日韓共同制作作品(東京藝術大学大学院+韓国映画アカデミー)

『覗』2007年/35分/カラー/HD

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監督:吉井和之

単身、韓国のソウルにやって来たビジネスマンの高木は、宿泊先のホテルで奇妙な映像にのめりこむ。それはTVの中に映る、隣の部屋のある美しい女の私生活。彼は煮詰まった仕事から逃避するように、その奇妙な映像にのめりこんでゆくのだった。ただ見るだけという一方通行の映像との関係が、安全圏を脅かす生身を持った交流関係に変わってゆく、男の物語。

 

『消えない』2007年/20分/カラー/HD

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監督:ビョン・ビョンジュン

マンションの一室に韓国人の女の子たちを住まわせ、デリバリーヘルスを営む在日韓国人の“ママ”。監視役として雇われて、毎日デリヘル嬢をバイクで送迎しているユキ。ある日、何度も逃亡を試みては失敗してきたデリヘル嬢タヘが、またしても逃亡しようとしてベランダから落ちてしまう。彼女に情を感じ始めたユキは、そんなタヘを乗せてバイクで走り出す。向かった先は港だった。

 

『THE DEPTHS』2010年/121分/カラー/HD

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監督:濱口竜介

韓国人カメラマン・ペファンは日本滞在中に男娼のリュウをモデルとして見出すも、過酷な運命が二人を待つ。東京藝術大学と韓国国立映画アカデミーの共同製作。キャストだけでなくスタッフも混成チームという容易ならざる状況を、濱口は作品そのものの危うい魅力へと転化し、韓国/日本、ホモセクシャル/バイセクシャル/ヘテロセクシャル、大人/子供、金持ち/貧乏人、堅気/ヤクザといった境界線の上で登場人物達を漂流させる。

 

『あおひげ』2012年/55分/カラー/HD

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監督:後閑広

どこか陰のある中学生の日本人ケン。語学の勉強で夜間学校に通う、ひょうきんものの韓国人ジフン。家が隣同士のふたりは同じ校舎で勉強をしており、年の離れた友人であるが、ケンは母親からの虐待、ジフンは親の再婚と、互いに家族の問題を抱えている。ある日、退職する先生のお別れパーティーを夜の学校でおこなうことになる。ジフンに誘われたケンは、そこで家と学校だけの小さな世界から抜け出し、初めて未知の世界へと歩み出す。

 

『波』2012年/36分/カラー/HD

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監督:パク・ソンフン

タケシと韓国人の母が済州島の水族館で働く祖父の家を10年ぶりに訪れる。タケシを祖父のもとに預けるためだ。母は日本でタケシを産み育ててきた。祖父はこれまでずっと帰ってこなかった娘を責めるが、タケシとの生活を引き受ける。言葉も通じず、文化も違う彼らの交流はぎこちない。母が帰国して数日後、日本で震災が起こり、母の住む町を津波が襲う。

 

『BRAKE MODE』2014年/55分/カラー/HD ※初上映

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監督:ヤング・ポール

プロデューサー:谷上香子|共同プロデューサー:カン・ジヒョン|脚本:ヤング・ポール 重田光雄|撮影監督:キム・ジェウ|ラインプロデューサー:ユン・ミンヨン|助監督:栗本慎介 崔得龍|撮影助手:ソン・ジンヨン イ・キュンワン キム・スンフン|編集:ヤング・ポール|美術・衣装(韓国):ジョ・ワンジュン|衣装(日本):佐々木麗子|録音・サウンドデザイン:ハ・ナムギュ|効果:有元賢二|アクション監督:イ・ゴンムン|ヘアメイク:ホ・ソル|音楽:画家

出演:渡部豪太 イ・ジャミン オ・ヒジュン

支援・サポート:芳泉文化財団 上月財団 日韓文化交流基金 釜山フィルムコミッション

日本の自動車メーカー、ハマダで働く黒澤は、仕事で釜山へ。ハマダが韓国の自動車会社と数年前に立ち上げた合弁事業の成果が実り、新モデル車が間もなく発売されるのだ。黒澤の仕事は、「何もせず、ただ発売初日のセレモニーに立ち会えばいいだけ」の簡単なもののはずだった。その新車が目の前で盗み出されるまでは……。ライバル会社の社員や釜山の癖のある住人達と出会い、ケンカしながら、黒澤は自分の隠された狂気と向き合うことになる。

 

【スケジュール】 ※各プログラム入場無料・予約不要

11月15日(土)

13:00~ 作品上映:『覗』『消えない』

14:20~ 作品上映:『禅武合一 少林功夫』『京都掠影』『ジンノーンシャ ア』『天籟籟』

16:00~ 作品上映:『BRAKE MODE』

17:20~ 日中韓国際シンポジウム「映像メディアのデジタル化は映画教育をどう変えるか?」

 

11月16日(日)

13:00~ 作品上映:『禅武合一 少林功夫』『京都掠影』『ジンノーンシャ ア』『天籟籟』

14:40~ 作品上映:『あおひげ』『波』

16:30~ 作品上映:『THE DEPTHS』

 

会場

東京藝術大学横浜校地馬車道校舎3F 大視聴覚室(〒231-0005 神奈川県横浜市中区本町4-44)

※みなとみらい線「馬車道」駅 5、7出口すぐ

 

お問合わせ

東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻 045-650-6200/opengeidai@gmail.com

 

主催:東京藝術大学大学院映像研究科 共催:早稲田大学大学院国際情報通信研究科

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