東京藝術大学大学院映像研究科映画専攻

  
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【3/14〜20】9期生修了作品展が渋谷ユーロスペースにて開催

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馬車道校舎での開催につづき、9期生修了制作展が渋谷のユーロスペースにて開催されます。
今年もみなさまを驚かせるような、若き才能たちの作品が揃いました。
劇場にてお待ちしております!
【会期】3月14日(土)〜 3月20日(金)
【会場】ユーロスペース
【アクセス】渋谷区円山町 1 – 5 KINOHAUS 3F (渋谷・文化村前交差点左折)
【料金】前売券1回券 ¥900 / 前売券1日通し券 ¥1,500/当日1回券 ¥1,000 均一 / 前売『リスナー』とのセット1回券 ¥1,800
【主催】東京藝術大学大学院映像研究科

【特設HP】http://film.fm.geidai.ac.jp/2015/
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『まぼろし』
2015年/80min/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー
監督:山下洋助|脚本:瀬川功仁 山下洋助|プロデューサー:石田晃人|撮影:平野礼|照明:武田明|美術 :Leon Roberts|サウンドデザイン:髙島知哉|編集:張丹妮|助監督:佐近圭太郎 瀬川功仁|衣装・ヘアメイク:宮村瑠|音楽:今村左悶
出演:青木淳耶 桃子 市村飛雪 武井祐人 大邑颯斗 吉岡睦雄 ほか

まぼろしを見にいく

【あらすじ】
小学生の落合賢太の住む町で殺人事件が起きる。川辺でバラバラ死体が見つかり、賢太は事件現場で川を泳ぐワニを見てしまう。クラスでワニの話をして、みん なにバカにされた賢太は仲間を集め、ワニを捕まえようとする。事件はワニの仕業か、犯人の仕業か。先生や親、対岸でトランペットの練習をする女子高生を巻 き込み、あらゆる対立は死体の見つかった川へ引き寄せられていく。
【監督コメント】
遠いところで起きているはずの恐ろしい出来事が、ふとした拍子に自分の世界に現れ、いつのまにか、遠かったはずのその出来事の渦中に居る。この映画に出て くる少年はそれを経験します。彼はあるきっかけで日常と非日常の境目を見つけ、好奇心からか自分自身を肯定するためか、それにぐいぐいと近づきます。非日 常へ辿り着けば何かが変わるかもしれない。自分の不遇が変わるかもしれない。未知に対する期待は彼だけでなく、観ている私たちにも関わっていきます。
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『結城家の眠り』
2015年/95min/スコープ/5.1ch/カラー
監督・脚本:今野恭成|プロデューサー:宮川万由|撮影:平野礼|照明:じょんうんひ|美術:高嶋悠|サウンドデザイン:河南逵|編集:張丹妮|助監督:児玉龍太郎 金田健|衣装:菊地綾子 竹内佳世|ヘアメイク:菅原美和子 宮村勇気|音楽:沈佳女
出演:福山翔大 小川あん 鈴木ひろみ 谷口蘭 小林万里子 奥野匡 ほか

きみに会うために眠る

【あらすじ】
高校生になった透は、祖母と暮らしていた山村の家を離れ、叔母のもとに身を寄せる。歓迎をする食事会が中華飯店でひらかれ、透は3人の姉妹と出会う。あたらしい家に向かうタクシーのなか、透は次女の横顔に目を奪われる。
植物のように生きてきた透は恋をし、動きはじめる。
【監督コメント】
プラスチック製で灰色のちゃちなフィルムカメラを買ってもらったとき、幼い私は庭の植物や飼っていた犬を撮ってまわりました。改装した実家で、現像したま ま封筒にはいった写真をめくって、私は大人になったのだなと思いました。写真はどれ1枚としてブレていないものはなく、ピントは花の花弁や、犬の目から外 れていました。ただ、幼い頃の私はそんなふうに世界を見ていたのだなと、脳みその皺が伸ばされるような気がして、『結城家の眠り』はそんなふうな目を持っ ている少年の話にしたいと考えました。一方では、目の焦点が一人の女性に絞られていく話でもあり、それが少年にとって成長であるのか退行であるのか、未だ に悩みどころです。
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『いたくても いたくても』
2015年/98min/スタンダード/5.1ch/カラー
監督:堀江貴大|脚本:木村孔太郎 堀江貴大|プロデューサー:江本優作|撮影:謝君謙|照明:平野礼|美術:佐藤有望|サウンドデザイン:佐々木淳一|編集:青木可恋|助監督:太田達成|衣装:岡田明彩子 菊地綾子|ヘアメイク:宮村勇気|音楽:のっぽのグーニー
出演:嶺豪一 澁谷麻美 吉田祐希 大沼百合子 坂田聡 ほか

売り上げ× 恋は△ リングは□

【あらすじ】
通販会社の映像制作部門で働くAD・星野健は、社長・坂口が突如始めたプロレス同好会に先輩の司会者・戸田とともに引きずり込まれる。プロレスをする星野 の姿に何かを見いだした坂口は、会社の命運をかけプロレスと商品紹介を融合した新番組を開始する。同僚であり星野の彼女でもある葵は、星野が楽しそうにプ ロレスをしている姿をどうしても素直に受け入れることができず、戸惑いを感じるのだった。
【監督コメント】
怪我をして「いってぇ」と涙を流すのは身体がようやく痛みを感じ始めた時で、怪我をしてから少しだけ遅れてやってきます。そして、傷跡は確かなものとして 身体に残り続けます。寒くなるとその古傷が疼き、怪我をした時の記憶や感情を呼び覚まします。傷を負った本人が失ったものの大切さを感じるのは遅かれ早か れいつも少し後になってからです。そういった鈍感さについての映画を撮ろうと思いました。古傷によって呼び覚まされた感情は、家族や恋人、友人といった人 たちをも巻き込みます。この映画で描こうとしたのはそういった痛みの伝播です。
男と女とプロレスがこの映画にはあります。痛くても、その痛みを信じて生きる人たち。『いたくても いたくても』にある手触りを感じてもらえることを願っています。
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『祭りのはじまり』
2015年/63min/アメリカンビスタ/5.1ch/カラー
監督:川喜田茉莉|脚本:岡田和音 川喜田茉莉|プロデューサー:永井浩|撮影:殿村亮|照明:謝君謙|美術:村上由季|サウンドデザイン:伊東俊平|編 集:後藤龍一|助監督:川田真理 高島知哉 山下洋助|衣装:佐藤有望|ヘアメイク:橋本申二(atelier ism®)|ヘアメイク助手:加城奈央子(atelier ism®) |音楽:小林武文
出演:三枝奈都紀 悠斗 河島樹来 佐藤優吏 平岩輝海 安亜希子 ほか

曲がっているけど、真っ直ぐ

【あらすじ】
さえない地味な女教師さちえは、生徒にも相手にされず、職場にも馴染めず一人暮らしていた。一方、さちえの生徒である中学生の萩原は、口のうまさを武器に 作文を脚色しては、賞を取り続けることを糧に生活していた。さちえはある日、公民館で見つけた和太鼓の教室に通い始め、何かを埋めるようにのめり込んで行 く。一方萩原は、都会から来た転校生の鋭い目線に、自らの立ち位置を見失いはじめる。文化祭の日がやってきた時、二人の思いがぶつかり合う。
【監督コメント】
何かに悩み、ある現実から脱出したい願望は誰もが描きますが、はたから見て解決法はそのやり方ではないだろう、と思うことがたまにあります。女教師が何か 変わるはずだと太鼓にのめり込むこと、少年が現実を打開しようと文化祭を壊すことは、明らかに何かが間違っています。どうこじらせたらそんな結論になった のか、純粋さと不器用さは盲目な力になります。しかし、たとえ見当違いな道でも、規格違いのまっすぐな力で様々な壁にぶつかり続けたら、ついに壁を破っ て、本来たどり着きたかった場所にポンと偶然着いていることがあるかもしれません。歪んだまま、不器用に突き進む人が描きたくて作りました。

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